妻の秘密・夫の不貞・姑の見栄
浅野温子 村田雄浩 中島ひろ子 渡辺典子 佐藤勇輝 中原丈雄
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都内の出版社で働く38歳の松原真理子(浅野温子)は、結婚6年目にしてようやくわが子を宿したと知り、笑顔を隠し切れない。真理子の夫は、入り婿で松原外科病院院長の洋二(村田雄浩)。真理子の妊娠には、洋二はもちろん、同居している亡父の後妻・由布子(池内淳子)も顔をほころばせた。 ところが、真理子は、洋二に会いたいと訪ねてきた羽賀と名乗る女にぶつかられ、石段から転げ落ちて流産。女が笑っていたのを思い出した真理子は、女が故意にぶつかってきたと気付いた。真理子はすぐさま女の正体を洋二に質す。だが、洋二は女に全く心当たりがないと言い切った。 実母の病気見舞いをするという洋二が岡山に向かって程なく、真理子は、"あの女"が都心のホテルで殺されたと知った。ニュースによると、殺されたのは盛岡在住の羽賀恵子(渡辺典子)。真理子は、見舞いから戻った洋二に事件のことを報告する。だが、そこに所轄の刑事・吉岡(中原丈雄)が訪ねてきたことから、思わぬ事実が明るみに出た。なんと恵子は、チェックイン直後、洋二に電話をし、さらに洋二はホテルの恵子の部屋を密かに訪ねていたのだ。真理子の追及に重い口を開けた洋二は、研修医時代、恵子の妹で、現在宅配トラックの運転手をやっている典子(中島ひろ子)と付き合っていたと告白。恵子から、典子が交通事故で重体になったことを告げられ、岡山ではなく盛岡に行っていたと明かした。 無実を主張する洋二の盛岡での足取りを調べた吉岡は、盛岡での空白の80分に興味を抱いた。この80分の空白が埋まれば、洋二の"シロ"が確定する。だが、洋二は、この時間に何をしていたかを話そうとはしなかった。 何としても洋二の無実を証明したい真理子は、盛岡で入院中の典子に手掛かりがあると考え、その病院を訪ねた。名前を偽って病室に入った真理子が目にしたのは、瀕死の状態で横たわる典子。ベッドの枕元にある典子とその息子らしき男の子の写真から判断すると、典子は母子家庭。典子の同僚・武上(蛍雪次朗)の話によると、典子は東京にいるらしい息子・誠(佐藤勇輝)の父親には絶対に迷惑を掛けまいと、女手一つで9年間育て上げてきたらしい。 武上の案内で誠がいる児童施設を訪ねた真理子は、面会簿に洋二の名前があるのを確認。刑事が施設にやって来たと知った真理子は、恵子殺しに関する洋二のアリバイは成立したと考えた。そして、職員に紹介された誠が、洋二と典子の間に出来た子だと確信した。 そんな真理子の前に現れたのは、以前にも姿を見せたことがある恵子の元亭主・落合(山田辰夫)だった。洋二が真っ青になってホテルの恵子の部屋から飛び出してきたという落合は、真理子に口止め料を要求する。落合はたまたま通りかかった警官に捕まるが、恵子の事件に関しては犯行を完全否認した。 まもなく、典子の容態が悪化。施設を訪ねていた真理子は、誠を連れ病院に駆けつけた。真理子が洋二の妻だと気付いた典子は、誠を産んだこと、何かをしでかしたらしい恵子のことを謝る。知らせを受けた洋二が由布子と一緒に到着。だが、典子は、手術の甲斐もなく、息を引き取ってしまった。 そんな中、真理子は、洋二がホテルの恵子の部屋で見つけたというボールペンを見て、ある人物を思い浮かべた。 |
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