新宿西署管内で深夜、轢き逃げ事件が発生、牛尾刑事(片岡鶴太郎)らは現場に急行する。被害者は中年の女性で、事故を目撃したタクシー運転手の長田(森章二)によると、女性を轢いたのは中年の男が運転する乗用車で、助手席には女が乗っていたという。だが、暗くて顔もはっきりとは見えず、ナンバープレートも確認できなかったということだった。
所持品から被害者は現場近くのラブホテルの従業員・安田恵子(松尾昌代)と判明する。
数日後、横浜山下署管内で男性の刺殺体が発見される。殺されたのは、新宿での事件の目撃者のタクシー運転手・長田だった。売上金を奪われていたことから、新宿の事件の知らぬ山下署の牟田刑事官(小林桂樹)や岩城刑事(東幹久)は強盗による犯行と推察する。
乗務日誌から、最後の客を乗せたのが新宿と判明、牟田と岩城は新宿に向かう。目撃者探しの前に新宿西署に立ち寄った二人は、ここで初めて長田が轢き逃げ事件の目撃者だと知る。
一方、週刊誌の事件記者・川村冴子(水野真紀)は、たまたま乗ったタクシーの運転手・蛭間(寺島進)から、幽霊を乗せたことがあると聞かされ俄然興味を持つ。あらためて詳しく取材させてほしいと頼み込んだ冴子は、約束した日に蛭間の所属する営業所に出向くが、彼はいない。そんな中、冴子はライバル誌の記者・緒方浩平(船越英一郎)と顔を合わせる。緒方は何か別の件で営業所に取材に来たらしい。
そのころ、牛尾の妻・澄枝(岡江久美子)は、1年程前に知り合った女子大生・香月雅代(大村彩子)のアパートを訪ねていた。数日前に、相談したいことがあると彼女が連絡してきたのだ。ところが、雅代の部屋からテレビの音が聞こえているにもかかわらず、彼女はいない。大家によると、もう二日も彼女の顔を見ていないということだった。