津軽海峡ミステリー航路5

函館南署刑事の青柳誠(村上弘明)は
妹の千明(菊池麻衣子)と出かけたコンサートで、
美人ピアニストの殺人事件に遭遇!
青柳刑事が青森から函館に向かうフェリーで出会った
謎の女性(原沙知絵)と連続殺人事件の関係は?
函館の美しい雪景色をバックに青柳刑事の推理が冴える!!

村上弘明 菊池麻衣子 原沙知絵

 函館南署刑事の青柳誠(村上弘明)は、青森から函館へ向かうフェリーで、デッキで一人、たたずむコート姿の女性(原沙知絵)を見かける。その女性は楽譜を破ろうとしているが、片手が楽譜から離れた瞬間、風で楽譜が数枚、飛ばされる。デッキに落ちた楽譜を青柳が拾い、女に手渡そうとするが、女は手を出さない。「もう、必要ない」という女に「あなたは、これが飛ばされた時、とっさにつかもうとしましたね」と青柳は楽譜を差し出す。「春の足音」という題名だ。女はゆっくりと手を伸ばして楽譜を受け取り、軽く頭を下げ、逃げるように客室に向かう。

 青柳がフェリーから降り、函館港を後輩刑事の永瀬(大柴邦彦)と歩いていると、妹の千明(菊池麻衣子)から電話が入る。今、函館に来ており、翌日のクラシックコンサートのチケットが入ったから、一緒に行かないかという誘いだった。美貌の天才ピアニスト・遊佐夏希(越智静香)が北海道のクラシックファンに送るプライベートコンサートだという。

 シティホテルのスイートルーム。夏希は機嫌が悪く、マネージャーの島田広志(村杉蝉之介)につらく当る。「何でこんな面倒な仕事を受けたんですか」と聞く島田に、夏希は「これが最後という約束。いつまでも十勝の田舎オヤジの広告塔なんてやってられない」ときっぱり言う。

 遊佐夏希のコンサート会場となっているレストランのロビーで、青柳は夏希の後援をしている十勝ノーブルワイン社長の高峯秀作(大和田伸也)にあいさつする。千明が本番前の夏希の取材をしたいと高峯社長に言うと「演奏前はナーバスになっているから、本番前は面会をお断りしているんです。また、ちゃんと時間をとりますから」と断る。その時、青柳は会場の奥から足早に出てくる女を見つける。どこか見覚えのある翳りのある顔。フェリーのデッキで出会った女だ。

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