婦女暴行犯罪。その多くは被害者の泣き寝入りによって不起訴に終る。犯人を罰する機会を目の前にしながら検察官たちは涙を飲む。東京から甲斐地方検察庁に単身赴任している女検察官・沢木穂乃歌（岩下志麻）もまた、婦女暴行事件を巡っての思わぬ事件に巻き込まれた。容疑者が異常死するという難事件だ。その死因は過去に数人のレイプ容疑者が変死した事件と酷似していた。それは「自体愛行為」と呼ばれるもので自ら首を絞めたり、喉にガーゼを押し込んでの異常な自殺行為だ。だが、捜査が進むにつれ他殺の線が濃厚となった。釈放された容疑者を殺害する犯人は、はたして被害者の身近にいる人物か。穂乃歌は、この地方に就任したばかりの全国紙の支局記者・宮城俊一（石黒賢）と出会った。レイプ被害者の救済に力を注ぎたいと言う俊一に強力な味方を得た穂乃歌だが、事態はますます複雑さを帯び、その俊一すら過去に婚約者をレイプされているという衝撃の事実も判明する。

| Back |