狂った計算〜灼熱のニュータウン殺人事件

伊東四朗 細川直美 角野卓造 市毛良枝 三浦浩一 ひかる一平 増子倭文江

東京・多摩南署の管轄内にある貯水池で、死後1週間から10日の女性の殺人死体が上がった。翌日、被害者は主婦・中瀬明美と判明。明美は10日ほど前に夫の中瀬幸伸から家出捜索願いを出されていたが、その中瀬も行方不明になっており、勤務先を無断欠勤していることが判明する。ベテラン刑事・近松丙吉は、部下の中川とともに中瀬の会社へ聞き込みに走る。同僚の証言によれば、中瀬は「同僚と共に泊りがけのゴルフに行き、帰ってきた時には明美の姿がなく、捜索願いを出した」と話していたと言う。中瀬と共にゴルフへ行った人間もおり、その直前まで中瀬が愛妻弁当らしきものを持参していたことなどから、中瀬のアリバイは成立していると見られた。しかし近松だけは中瀬の行動にどこかアリバイ工作めいたものを感じる。中瀬夫婦の部屋の家宅捜索が行われた際、近松はほとんど掃除されていない部屋の中で、台所だけがきちんと整理されていることに疑問を抱く。そんな中、明美が男から「夫が浮気している」との密告電話を受けていたことが判明する。その後、中瀬の乗っていた営業者が東京郊外のニュータウンで発見された。中瀬はこの地区の住宅メンテナンスを担当しており、車は中瀬が消えた日から放置されていた。聞き込みをする近松は、中瀬が定期的に訪れていた坂上家のチャイムを押す。ドアに「忌中」と張り紙のされた家の中から現れたのは、主婦・坂上奈央子。最近、目前で起きた交通事故で夫・坂上隆昌を亡くしており、それ以来毎日大量な花束を買い込んで家に持ち帰って、近所の同情を買っていた。近松は焼香をして立ち去るが、奈央子が夫を亡くした日が中瀬が消えた日と一致すること、奈央子の額に痣があること、帰り際に2階から異常な冷気が来ることなどから、何か奈央子にひっかかるものを感じる。

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