刑事吉永誠一 涙の事件簿3 一億円の幸せ 

中山忍 船越英一郎

神奈川県警捜査一課刑事の吉永誠一は、マイホーム購入のために融資を受けようと、妻・照子と愛娘・菜摘とともに帝協銀行本牧支店にやって来る。銀行の担当者は、照子の高校時代の先輩・月村素子。挨拶をした途端、吉永の携帯に警察からの呼び出しが掛かり、吉永は銀行を飛び出して現場に向かってしまう。「非番の日に限って…」と呆れる照子。
 事件は帝協銀行本牧支店の現金輸送車が襲われたというものだった。被害額は一億九百七十万円。運転席と助手席に乗っていた銀行員2人は銃撃されて即死。犯人は現金を輸送する日時とルートを知っていたことから、銀行内部の人間か、内部に協力者がいるとみられた。
 そんなある日、吉永と照子は、小沢と素子をくっつけようと2人を自宅に招く。結婚に前向きな小沢に対し、素子の態度は消極的。2人が帰った後、照子は「2年前に、素子には婚約者がいた」と明かす。
 数日後、横浜港の冷凍倉庫で山田治の変死体が見つかる…。

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