江戸川乱歩サスペンス 闇の脅迫者 江戸川乱歩「陰獣」より
貴女は見られている 秘密の鍵穴から狙われた白い肌…妖艶な社長夫人を襲う謎の男の正体は…?
佐野史郎 川島なお美 佐藤仁美 中丸新将
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人気推理作家の寒川(佐野史郎)は、インテリア家具の会社を営み、寒川作品のファンだという女性・小山田静子(川島なお美)からある相談を受けた。その相談とは、静子がかつての恋人であった男から、執拗なストーカー行為をされているというものだった。しかも、「必ず復讐してやる」という気味の悪いメッセージをメールで送り続けるその男は、寒川が唯一嫌っている正体不明の作家・大江春泥(吉満涼太)だという。清楚で美しい静子の不安げな様子を見て、寒川は締め切りの迫る自分の原稿もそっちのけで、大江春泥こと平田一郎を探し出すと約束する。寒川は交流の深い警視庁の糸川警視正(山下真司)に、それとなくストーカー行為規制法の適用条件について確認。さらに馴染みの編集者・本田恭子(佐藤仁美)に大江の情報を集めさせた。そして、沢田(佐藤二朗)というカメラマンが、大江と接触したことがあるという恭子の情報をもとに、寒川は沢田から大江の写真を入手する。寒川は静子にその写真を見せ、大江かどうかを判別してもらう。手で顔を隠した瞬間をとらえた写真を見て、静子は平田の感じに似ているとつぶやくのだった。今もどこかで自分は見られているのかと、不安がる静子。しかもその日の夜は、夫の小山田六郎(中丸新将)が出張で留守だという。静子が一人になるのを心配した寒川は、小山田家を訪れることを決意する。その夜、小山田家の呼び鈴を鳴らした寒川は、静子がおびえた表情で現れたことに、何かが起こったことを感じとる。聞けば、平田一郎から気味の悪いメールが送られ、静子の生活を一部始終覗き見していると思わせるメッセージを受け取ったのだという。寒川は、カーテンの閉じられた部屋を外部から覗き見ることは不可能と判断。しかし静子はどこかに平田の気配を感じると主張する。ぞっとする寒川であったが、偶然倒してしまった花瓶の水が不自然に床を流れるのを見て、家の構造がおかしいことに気がつく。壁の厚みを入れても一メートルほどの誤差があるのだ。外に出て建物全体を見渡した寒川は、物置の配置に疑問を持ち、さらにその奥の壁に隠し扉があることを発見した。その扉を開け、狭い通路を進んでいくと、なんと居間や寝室が覗き見できる細長いスペースが現れたのだった。衝撃の事実に取り乱しそうになる静子。寒川はその場に、ボタンが一つ落ちているのを発見する。静子から、この家を購入した経緯を聞くと、夫の小山田六郎がすべての手続きを行ったのだという。寒川は、平田があらかじめ覗き見のできる家を作っておいて、小山田夫妻に買わせるように仕向けたのだと推測する。深刻な事態に、警察への報告をすすめる寒川に対し、静子は夫にすべてを話してからにしたいと返答した。ところが翌日、静子の夫・小山田六郎が、公園で死体となって発見された。平田の仕業なのか?静子に惹かれる寒川は、知らず知らずのうちに事件の渦中に引き込まれていく…。
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