刑法第三十九条 フラッシュ・バック

黒木瞳 野波麻帆 筧利夫 鶴田忍 六平直政 小野武彦 長門裕之 大島さと子

新宿歌舞伎町の繁華街で、通り魔による殺傷事件が発生した。犯人(柄本明)はサバイバル・ナイフで通行人11人を斬りつけ、暴れまわっているところを、地元の暴力団員に取り押さえられた。しかもその男は、通り魔事件を起こす前に、付近の路地で浮浪者を一人刺し殺しているところをホステスに目撃されている。死体の腕には、数多くの注射痕があった。新宿署で取り調べを受けた被疑者は、応対する丸岡(六平直政)、名越正徳(筧利夫)ら刑事たちに対し、犯行当時の状況だけでなく、自分の名前すら思い出せない、と告白する。しかし小さなケガをした丸岡を止血する被疑者の手つきを見て、名越は医者ではないかと推測する。案の定、取り調べを受けている人物は、家族から捜索願いの出ていた東京・杉並の天宮医院の院長、天宮如彦であることが判明した。地元では、貧しい患者も差別することなく診察し、「赤ひげ先生」と呼ばれる評判の名医だった。
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