人気作家シリーズ(4)東野圭吾サスペンス 多摩南署たたき上げ刑事・近松丙吉(3)依頼人の娘
商社重役夫人刺殺事件!
伊東四朗 美保純 角野卓造 市毛良枝 三浦浩一 山口いづみ
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東京・多摩の高級住宅街の一軒家で、主婦・的場妙子(山口いづみ)の刺殺体が発見された。死体は下着姿で胸を刺されており、部屋のごみ箱からは指紋の拭き取られた包丁が見つかる。警察の現場検証では暴行の跡はなく、金品も盗まれた様子はない。第一発見者は被害者の夫・的場陽助(佐藤B作)。陽助は、会社で昼食をとった後気分が悪くなり、午後1時半に西新宿にある会社を早退していた。車で帰宅途中、偶然、妙子の妹・典子(美保純)と新宿で会い、三鷹の自宅まで典子を送ってから3時頃帰宅し、妻の死体を発見したという。現場に到着した多摩南署のベテラン刑事・近松丙吉(伊東四朗)は、殺された妙子のタンスを観察し、下着類が洋服と混ざって無造作に押し込まれていることに気付く。また、玄関の陽助の靴が綺麗に揃っていることと、陽助の書斎が乱雑に散らかっていることに気付き、「この靴は誰が揃えたのか」と疑問に思う。また、妙子はコンタクトをして死んでいたが、リビングに飾られた家族写真では眼鏡をかけていたため、妙子がどこかに外出しようとしていたのではないかと推理する。陽助は、「早退することを家に電話したが妻が出なかったため、向かいの主婦に家の様子を見てほしい」と電話をしたと証言した。確かにその主婦は電話を受け、2時45分頃、「ボストンバッグを手にした中年の男」が的場家から走り去るのを目撃していた。司法解剖の結果、妙子の死亡推定時刻は午後2時から3時の間と判明する。警察は向かいの主婦が目撃した「ボストンバッグの男」による犯行という線で捜査を進めるが、近松は妙子の家族に不自然さを感じていた。妙子が殺された日、妙子の長女・享子は、頭痛で午前中会社を休み午後から出社、妙子の妹・典子は、勤め先の図書館が休みで新宿に出ており、その後陽助と偶然会って帰宅していた。近松は、事件当日に限って、身内に早退や休みが多いことを不自然に思う。さらに陽助は、常用している睡眠導入剤の影響で一時的に記憶喪失になる「ブラックアウト」の傾向があり、昼食をとった場所の記憶が飛んでいた。
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