弁護士迫まり子の遺言作成ファイル 告発

斉藤慶子 岸田今日子 磯野貴理子 津川雅彦 真由子 山谷初男 八木昌子

迫まり子(斉藤慶子)は39歳の弁護士。妹のみな子(磯野貴理子)も母の和美(岸田今日子)も弁護士で、三人共同の弁護士事務所を営んでいる。まり子は日本にはあまりなじみのない遺言状という仕組みをもっと定着させようと、遺言状専門の弁護士を志しているが、依頼はめったにない。和美は多少寛大だが、みな子は「もっとお金になることをしなさいよ」と批判的だ。まり子が雑誌に出した広告を見て、山野太一郎(津川雅彦)という老人から依頼が来た。長野の花岡市の病院に入院中の太一郎は死期が迫っており、ひとつだけ思い残したことがあるのだという。その花岡市は、いまマスコミの注目を集めていた。伝統ある小学校の校舎を取り壊してアウトレットモールを造るという計画に反対する市長と、賛成する議会の対立が市長のリコールにまで発展、計画の賛否を問う市長選に突入していた。「わざわざ出張してまで」と、みな子は反対したが、まり子は話を聞こうと、花岡市を訪れる。まり子を迎えた山野は、傲慢な態度で息子の嫁・暁子(真由子)を追い払い、まり子に「遺言状を警察に届けて欲しい」と頼む。それは自分の息子・孝平(大石継太)を告発する文書だという。あまりの話にまり子が戸惑っているところに、東京のみな子から電話が入った。みな子は“山野の息子・孝平こそリコールされて目下選挙戦をたたかっている前花岡市長で、太一郎は孝平の前の市長でアウトレットモールを誘致した本人だ”と、まり子に教える。わざわざ東京から弁護士・まり子を呼んだことといい、山野の依頼には腑に落ちないことが多すぎた…。
| Back |